第26章 公の立場を利用した私的な復讐

「工藤さん、安心して。あなたに何かあったら困るもの。面倒は私が片づける。ここで落ち着いて食事してて」

中山紗奈は工藤達央にそう言い切ると、迷いなく個室の外へ出ていった。

「社長……!」

千葉も慌てて後を追う。

工藤達央は肩をすくめた。ついていこうかとも思ったが、やめた。

今出ていっても、役に立たない。

それなら先に腹を満たしておく。向こうがひと騒ぎしている間に、落ち着いてから顔を出せばいい。

「ぐぅ……」

不意に、妙な音がした。

空腹の腹が鳴る音だ。

工藤達央が横を見ると、咲子がよだれを垂らしながら、卓上の料理に釘づけになっていた。口元のマスクは、もう湿っている。

「…...

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